【逆転中】力づくで環境を動かす話。

5年住んでいた家を引き払って

新居へ越した。

学生の時に一人暮らしをしていた部屋は

山の上で学生の街だったから、

8畳で5万円いかないくらい。一応都内。

 

働くにあたり下山して、東京からは出たけれど

それでもとりあえず最低限の生活ができればよかったから

職場まで通うのにストレスがなくて安いところ、

駅からはそんなに歩かなくてよくて

風呂トイレ別、ガスコンロで2階以上。

家賃は6畳で5万ちょい。

よくある物件で探して入居できたところだった。

 

ただ、その家に5年ほど住んでいたけれど、

ちょっと怖いことがあったのと、

住環境の大切さに目覚めた。

 

それまでは本当に部屋にベッドがあって

寝られたらいいやくらいにしか思っていなくて、

色々と必要なものを捨て去っていた。

のに、モノは結構多くて整頓しきれているわけでもなく。

多分今となってはもう戻れない。

 

色々な思い出や怖さや辛さから脱皮したくて、

いっそのことならと環境を変えることにした。

今度は正真正銘の新築。

セキュリティもちゃんとしているところ。

 

荷造りも、いらないものを全部捨てた。

最低限のものだけでいいと思った。

埃を被った調理器具や炊飯器、お皿も。

カーテンも。マットレスも。ラグも。たくさんの服も。

本棚も。本も。ハンガーラックも。掃除機も。

必要なものは段ボール5箱もいかなかった。

 

新しい家は当たり前だけどピカピカで、清潔で、

お風呂にもゆっくり浸かれる自動湯沸かし器がついていて

エアコンも装備されてるし、独立洗面台もある。

トイレも収納がたくさんある。

キッチンは広いし、ガスコンロは備え付け。

クローゼットだって自分の持ち物なら十分おさまる。

 

家賃は当初より予算オーバーが否めなくて少し苦しくなったけど、

完全にクオリティーオブライフが爆上がりした瞬間だった。

 

大事に住まおうと決めた。

 

今も最低限のものだけになるべく抑えているので、

きっともし何かあっても段ボールは6箱で十分。

 

きっと他人が見たら、不足してるし寂しい部屋だと思われるかもしれない。

人のような生活ではないのかもしれない。

でも、炊飯器もテレビもなかろうと

今の自分にはこの部屋がある。

帰ってきたらとても落ち着く、この空間が。

明るくて、殺風景な白を基調とした聖域が。

自分からしたらこれが至高だし、最高。大好きな世界だ。

自分のためにある空間だ。もっともてなしたい。

 

新居に越してきてからたまに活けるようになった、生花。

今はポピーと、黄色い花が2種活けてある。

元気に生きていてくれていて、帰ってくる度に幸せになる。

 

ルームフレグランスも置いている。

家で飲めるように、ティーバックなんかも常備している。

ラグに寝っ転がるのも至福。

今は床掃除をもっと楽しくできる方法を模索している。

家でごろごろすることが、贅沢だということを知っている。

それだけで、とても満たされている。幸せだ。